そ、そ、ソクラテスか、プラトンか…

 

そ、そ、ソクラテスか、プラトンか、に、に、ニーチェか、サルトルか…

野坂昭如さんのCMでこんな歌詞がありました。

後期の講義が始まりました。今日はヒューマンライフ価値論という講義でした。そこでは、「ソクラテスの弁明」というテキストから、人間はどのように生きるべきかという問いについて考えていきます。私も立派になって…、とうとうソクラテスについて勉強することができるようになりました。

「ソクラテスの弁明」というテキストは、ソクラテス研究ではとても一般的な本のようで、たくさんの人によって翻訳されているようです。資料として読むことから授業は始まるので、私も読んでみました。

ソクラテスは、様々な議論をする場である哲学カフェでたくさんの人たちと議論したようですが、その議論が街の若者たちに悪い影響を与えているということで、それを止めるか、死刑になるかの選択を迫られます。ソクラテスは二つのことをここで語ります。

一つは研究や議論を止めるのなら死んだほうがましだ。もう一つは、死んだ後に魂は、過去に死んだ偉人や哲人に会うことができるのならば、死はそれほど悪くないのではないのか。そして死とは睡眠のようなもので、死とは最高の睡眠状態ともいえる。世界中の誰もが望む快適な睡眠ともいえる死であれば、死をそれほど恐れることは無いと言います。

ソクラテスは70歳を超えるまで生きて死刑になった人なのですが、古代ギリシャの平均寿命から見れば、長生きした方のようです。弟子のプラトンも80才くらいまで生きたそうなので、何らかの研究結果を出すためには、健康で長生きすることも必須条件のようです。

若い時の考えも科学研究において素晴らしいものがありますが、死について、老いについての研究は、ある程度年を取らなければできないのではないかと考えています。病気をしたり、老いていく過程でいろんなことを考え、いろんなものが見えてくるように思えます。特に男女関係は若い時と年を取ってからでは、明らかに違うように感じます。若い時の過ちはあるもんですよね。そして年を取ってからの夫婦の良さも最近分かってきたような気がします。

今日はNetflixで「奇跡の絆」という映画を見ました。とても感動的な映画でした。2017年の作品ですが、黒人差別や貧困、キリスト教、寄付、ボランティアといったたくさんの社会問題が見える映画でした。

このホームレスの黒人を演じた俳優は、レオナルド・ディカプリオ主演の「ブラッドダイヤモンド」でも素晴らしい役を演じた人です。

とても感動的な映画なので、ぜひ見ていただけたらと思います。父親は仕事で、母親は子育てなどですれ違いの生活となり、愛情が冷めていくのですが、キリスト教会でのボランティア活動をきっかけに、家族や夫婦間の愛情が元に戻っていきます。良いことばかりではないのですが、感動的なシーンに涙なしでは見ることができませんでした。

いつもアクションとコメディ映画ばかりを見ているのですが、たまには心の洗濯ができるような映画もいいですね。

寿晃整骨院 総院長 木下広志