ジェンダー差別って、本当に根深い問題です。

しずかちゃんって、本当にかわいい女の子ですよね。でも、もしかしたらしずかちゃんに女性はこうあるべきだ。女性としての理想像だという、男女差別をしていないでしょうか。しずかちゃんがかわいいと考える人には、女の子はこうあるべきという固定概念が入っていかもしれません。これは女性側にも言えることです。

「専業主婦は2億円損をする」という本を書いた橘玲さんは、専業主婦の何が悪いのかという批判でネットを炎上させ、かなりのバッシングを受けたそうです。橘さんは専業主婦が悪いということを言いたかったのではなく、専業主婦になってしまうとそれまでせっかく磨いた仕事のスキルが無駄になってしまい、結果として働き続けたなら得ることができた生涯年収のうち、2億円を損をしますということを書いたと言っています。

このバッシングは、主に専業主婦から受けており、橘さんも残念そうに別の書籍でこの件を述べておられました。どんな高学歴を持つ女性でも専業主婦になってしまうと、育児の時間に余裕が出たからといって、元の企業に以前と同じ条件で再就職することはとても難しく、いわゆるパート扱いになってしまい、低収入しか得られないという専業主婦の損失を惜しんで書いておられるのですが、批判はサポートしようとした専業主婦側から起こりました。

この話は、患者さんからも聞いたことがあって、岡山大学を出た高学歴の女性が結婚して、育児が終わった後に就職を探しても、働きやすい環境は、スーパーやドラッグストアしかなくて、高卒の若い男性店長に安い時給でこき使われると私に言っていました。

私は、昭和41年生まれで55歳ですが、子供3人の育児を全くできませんでした。信じられないかもしれませんが、う〇このおむつを替えたことは、3人で4回ほど、お風呂に入れたことも数えるほどしかありません。育児に協力的な若いスタッフの状況を聞いていると、恥ずかしくて穴があったら入りたい気分です。(老松本院の国田院長だけは、私に近いかもしれません)

それでいて、患者さんとの話の中で私の教育論をぶち上げるので、いつも智子先生は苦笑しています。私の持論は、「母親は胸で子供を育て、父親は背中で育てる。」というものです。今の夫婦では、むりげーですね。

智子先生は、早起きして、子供たちを起こし、服を着替えさせて、朝食を食べさせ、歯磨きなどの整容をして、子供を保育園に預けると整骨院で仕事をして、お昼の間に夕食の準備をして、5時に保育園に迎えに行ってご飯を食べさせ、お風呂に入れて、その間も整骨院の仕事をして仕事着のまま、子供を寝かしつけて、そのまま寝てしまうこともしばしば…。壮絶な育児を毎日繰り返していました。

お早うの後は、早よー、早よー、早よーという声が我が家には鳴り響いていました。その間、私は仕事しかしていなかったので…、自分のことで精いっぱいで、本当に申し訳ございませんでした。

同年代の知り合いの整骨院の院長は、仕事が終わった後、映画に行ってくると言って家を出ていくことがあったそうで、育児をしている奥さんから、「あなたは家族がかわいくないのか」と叱責を受けたそうです。その先生の返事は、「家族はかわいいに決まっている。でも、自分が一番かわいいんだ!」と映画に出かけて行ったと言っていました。

女性の力は本当に大きくて、家族を維持するためには女性の家族に対する献身的なサポートが必要だと思いますが、この考え方が今の時代では、ジェンダー差別となりそうです。女性の役割を性別で決めているからです。

男女の平等度ランキングのうち、ジェンダーギャップ指数では、日本はG7で最低の7位、国連加盟国196ヶ国中、120位と世界と比較してなんて男女差別が大きいんだろうと考えます。ジェンダーギャップ指数は、女性政治家や女性経営者の数を指標とするので、確かに日本には女性政治家や経営者が少ないのですが、私の感覚では責任あるポジションをを避ける女性のほうが多いような気がします。

ただ、日本社会を変えるためには、女性が責任あるポジションを担うことが必要で、男性社会が持ってしまった既得権益をそれによって打破できるのではないでしょうか。

https://president.jp/articles/-/44903?page=1

ジェンダーギャップ指数とは指標が違うデータである、ジェンダー不平等指数では、日本は、G7のうち米・英を上回って、世界でも24位となります。これは女性がどれだけ安全に出産できる環境かという指標を重視しており、「妊産婦死亡率」や「未成年出生率」などが入っています。それ以外にも新生児の男女比率や健康寿命の男女差を健康分野の指標としており、健康産業の一端を担わせていただいている身からすれば、大切にしたい指標です。

日本の報道機関は、ジェンダーギャップ指数によって女性が差別を受けているという情報を流しながら、日本が世界に対して優れている部分については報道しません。OECD加盟国38か国のうち、ネガティブな感情(怒り、悲しみ、恐れ)を経験する比率が女性より男性のほうが1.4倍多いという世界にはない特性を日本だけが持っています。我が国は、男はつらいよなのです。

https://president.jp/articles/-/47667?page=1

世界的に見れば、否定的な感情(ネガティブな感情)を感じることが多いのは、女性、低学歴、高齢者なのですが、日本はなぜか、男性、高学歴、若者なのだそうです。そういえば、いろんなところで人間観察をしていると、いわゆるおばちゃんが人類最強だなあと思うことがありますよね。

日本人幸福度(幸せと回答した者の比率)の推移は、女性の幸福度が男性を上回り続けており、バブル期の1990年頃より、2010,2019年のほうが高くなっています。失われた10年、20年の時期のほうが、私の智子先生への感謝度と同じように、日本人の、特に女性の幸福度は上昇しています。

寿晃整骨院では、なるべく結婚し、出産した女性スタッフでも働きやすい環境を作ろうとしています。出産手当や育児手当を取得できるよう社会保険、雇用保険の加入は当然として、子供が保育園に入園できて、再度働き始めたときには、なるべく時短勤務ができるように意識しています。(家族の助けという家庭環境によって、すべての時間働ける女性スタッフもいます。感謝です。)

さて、ジェンダーという考え方では、女性は女性らしく、しずかちゃんは、しずかちゃんらしくという固定概念が悪いということになるのですが、誰だって看護師さんは、女性のほうがいいと思いますし(男性看護師の方、すいません)、アメリカの急性期病院に入院した65歳以上の高齢者、およそ130万入院分のデータから、女性医師の方が患者の30日死亡率および30日再入院率が統計学的に有意に低いというデータがあります。

頭ではジェンダー平等と考えているけれども、病気の時の弱った感性では女性を求めているのかもしれません。なぜ女性医師の方が、患者の予後が良いのかについて本研究では明らかになっていないのですが、過去の研究から、女性医師の方が、ガイドライン遵守率が高く、患者とより良好なコミュニケーションを取り、より専門家にコンサルテーションすることなどが報告されているようです。

私も男性治療家として、女性治療家に勝てないかもしれませんが、頑張って患者様との良好なコミュニケーションをとりたいと思います。女性スタッフもたくさん働いている寿晃整骨院をよろしくお願いします。

寿晃整骨院 総院長 木下広志