久々に号泣! 口が震えるほど感動しました.「ラーゲリより愛をこめて」

昨日,二宮和也主演「ラーゲリより愛をこめて」を見てきました.感動しました!

もし,泣くことが嫌でなければ,ハンカチをもって見に行って欲しいと思います.大学の講義でこの映画のプロデューサー刀根氏の講演があり,日本の映画の制作側の話を聞き,その先生が製作したこの映画の話を聞きました.エンドロールには,刀根さんの名前となんとRSK山陽放送の中藤さんの名前も出ていました.中藤さんとは同い年で,倉敷におられる時に親しくさせていただきました.映画を見た後,エンドロールに知り合いの名前があるってびっくりしますよね.

シベリアの強制収容所(ラーゲリ)に抑留された日本人捕虜の話です.ネタバレしたくないのでこの映画の内容は控えますが,北川景子さんの演技も素晴らしく感動できる映画です.

私がこの整骨院の修業を始めたのは35年ほど前ですが,その当時は昭和60年代でバブル経済の絶頂期でした.そんな中で私は月に3万円ほどの給料で修行に明け暮れていました.その整骨院では患者さんの数はとても多く,たくさんの症例を見せていただきました.その患者さんの中には,シベリアで抑留された経験を持つおじいちゃんがおられたのを覚えています.

その方は帰国したときに,お腹が餓鬼のように膨れていたとおっしゃっていました.栄養失調ではお腹が膨れるって言っていたなーと修業時代を思いつつ映画を見ていました.その整骨院の思い出はたくさんありますが,そこは大阪の堺市という港が近く工業のさかんなところで,下町の部分も残し,住んでいたアパートは文化住宅と言われていた,トイレは汲み取り,お風呂無しで月々15,000円でした.お風呂は銭湯に行くのですが,一回が270円かかるので,3万円の給料から家賃と食事代1万円で残りは5千円,電気代や水道代もあるし,銭湯に毎日行くことができませんでした.当時の銭湯は頭を洗うと30円ほどの洗髪料をとるのですが,番台のおじさんは,「いいよ」と言って私から取りませんでした.そこの暮らしは,私にとってのラーゲリだったかもしれません.この映画のような命の危険までは有りませんでしたけれども.

そんな整骨院の暮らしを思い出しつつ,その整骨院で聞いたシベリアの話をもっときちんと聞いておきたかったと思いました.映画の最後は,今の時代の映像になるのですが,あるおじいさんがこの時代の食事のおいしさ,平和な空の青さのありがたさを若い世代に対して語ります.それが若い世代にどこまで通じるかなと考えてしまいました.

平和であることはとても大事なことですが,平和を守ることも大切で守る時には戦闘になることもあります.そんな中で人を殺してしまうこともあるのかもしれません.この映画で書かれる平和について考えながら,ウクライナとロシアの戦争について思いをはせました.

高橋洋一さんは,どんなことでも数字で考える東大数学科出身の元財務官僚です.彼は戦争になるには3つの要因があると言っていました.

① 相手が非民主国か

② 自分たちはどこかの国と同盟を結んでいるか

③ 防衛力のバランスはどうか

この3つで考えてみると,ウクライナとロシアについて,ロシアは非民主国,ウクライナはNATOに加盟していない,防衛力に大きな差があったということで戦争になるべくしてなったと言っています.

https://www.youtube.com/shorts/8rEklj2uKbU

同じリスクとして,中国と台湾はどうかというと,中国は非民主国,台湾はどこの国とも同盟を結んでいない,防衛力に大きな差があるということで非常に危険だと言っていました.

台湾と西表島は200㎞ほどで,与那国島からは110㎞ほどしか離れていません.台湾と中国が戦えば,きっと日本にも影響をするでしょう.日本と中国の戦争リスクはどうでしょうか.中国は非民主国であることは変わりませんが,アメリカと同盟を結んでおり,近年はイギリスとの関係も深くなっています.そして今のところ,防衛力は拮抗しているように見えます.

1972年の日中国交正常化以来,中国の軍事費は90倍になりました.現在の中国の国防予算は30兆円で,日本の22年度防衛予算(5兆4千億円)の5倍以上になるそうです.日本の防衛予算をGDP1%から2%にするという方向性が決まり,いつの間にかその予算をたばこ税,法人税,所得税の増税によって賄うという話になっています.

https://www.jiji.com/jc/article?k=2022092500234&g=int

近代になって日本は韓国と戦争をしたことは有りませんが,1952年に韓国の李承晩大統領は,いわゆる「李承晩ライン」を設定して竹島を取り込みました。この時も先程の3原則で考えれば,当時の韓国は大統領による独裁政権で非民主国であり,日本は敗戦国で同盟国はなく,3番目の防衛力は戦力の放棄をしているときで自衛隊も警察予備隊もない状態でした.このようなことから防衛力を保持することはとても大切な国民を守る手段だと言えそうです.それを目の前の増税とセットにされると…,なんだかねー

寿晃整骨院 総院長 木下広志