令和4年度登録販売者試験に合格しました.これってむかしの薬種商とどう違うのでしょう?

私は,昔から漢方薬に興味を持っていました.鍼灸と漢方薬というのは,東洋医学ではセットのように考えられています.また「身土不二」という言葉があって,土からできる食材と体は切っても切れない関係にあり,二つに分けられないという風に言われています.私が,師匠に教えられ大切にしてきた言葉の一つです.

身体の健康を保つために,食事と適度な運動,鍼灸治療,漢方薬という方法や物が使えればいいなぁと考え,その当時,漢方薬を扱うためには,医師,薬剤師,薬種商になるかの三択でした.当然医師にはなれないとして,薬剤師も大学に通う必要があり私には難しく,薬種商ならなんとかなるかもしれないと考えていました.

結局,整形外科へ就職することになったので,薬種商の勉強もできなかったのですが,調べてみると,大学で薬学に関する専門の課程を修了しているか、実務経験が3年以上の者が都道府県知事のおこなう試験に合格する,または8年以上薬種商販売業の業務を行っていたものという高いハードルがあったようです.この資格は富山の薬売りなどへの販売許可として都道府県ごとに行われるものですが,かなり昔からあったことがうかがえます.

薬種商販売業有資格者は平成9年(1997年)時点で17,600余名だとウィキペディアに書かれていますが,2009年に薬事法が改正された後,始まった登録販売者試験は年間約6万人が受験し,合格率は年によって違うようですが,約40~50%で,毎年約3万人が合格します.受験資格もありませんので,薬種商よりはかなり簡単になっているようです.

私は大学院の研究で民間療法の勉強をすることになり,その中にある漢方薬も日本での扱われ方について,勉強していました.そこで,登録販売者試験を受験するために勉強すれば,一石二鳥になると考え,受験してみました.

本日,岡山県より書留が届き,合格証を確認しました.とりあえず,うれしいです.この勉強に際し,くすりのラブという会社が,おそらくドラッグストアで働く職員を育成する目的で格安でオンライン講義をしてくれるというので受講していました.優しいナイスミドルの薬剤師が,丁寧かつ的確に教えてくれたおかげで合格できました.

5年間の間に通算2年以上、合計1920時間以上の実務経験ができれば,登録販売者として,ドラッグストアやコンビニ,ホームセンターでレジに立つことができるようになるのですが,ちょっとその時間はとれないと思います.残念です.

寿晃整骨院 総院長 木下広志